| Casa VINITALIA | |
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| 19 Febbraio, 2009 | |
Il Vento dell’Alto Adige .12 〈南チロルの風〉 「ワインの勉強をしにイタリアに来ました」 と大々的に口にした以上、 ある程度結果も残さないといけないなと常に思っていましたが、 その一番目の前に立てていた目標がありました。 福本が去った後のサドレル滞在期間、 3つの大きな出来事のうちの2つ目。それが今回お話しする、 イタリアの国家認定でもあるソムリエ資格試験突破がそのひとつです。 イタリアのソムリエ試験に合格する為には、 三段階に分かれているコースを受講しなければいけません。 全コース毎回3・4種類のワインが用意されていて、講師の方と共に イタリアソムリエ教会が推進するワインの表現方法を勉強していきます。 ひとつのコースで13~15日間の日程が組み込まれ、 それぞれのコースの最終日には復習を兼ねて試験があります。 それを超えなければ次のコースには行けないと言われています。 第一段階はワインの基本中の基本。 「ブドウはどのようにできるのか?」「ワインの製造工程は?」 というような基本的な内容から入るのですが、基本と言われながらも それらの言葉の意味を追いかけるので精一杯でした。 ただでさえ普段の語学がままならないのに、 数々の専門用語が次から次へと舞い降りてくるわけですし、 授業では早口で話す講師の言葉を理解するために、 聞き取れた言葉をノートに書き綴る日々でした。 それはもう必死です。 同時に授業内容と基礎知識をまとめたノートも作り、 日本語に訳しては目を通し言葉にする毎日。 製造工程もイタリア語で説明できるようになるため、スプマンテの作り方を お客さんに説明するようなイメージで呪文のごとく口走っていたりもしました。 言葉とその内容を身体にしみこませるための第一段階でした。 第二段階からは産地ごとに法律で定められたワインを学び、 その土地の地理や気候の違いによるワインの特徴を追って行くプログラム。 この段階はとても面白く、毎回毎回色々な州や産地を追っていき その地域のDOC やDOCGワインを覚えていく授業。 まるでその産地を旅しているかと思うほど引き込まれる内容でした。 ある日ひとりの講師が教鞭に立ったとき非常に面白いことを言っていました。 「ワインを勉強するということは、地理を勉強することだ」 納得です。つまり南北に伸びるイタリア半島において、 それぞれDOC・DOCGワインをブドウ品種や熟成期間の違いだけで 認識するのではなく、この町の近くで産されて、その丘陵地帯は何という名前で、 その一帯を何という名前の川が流れていて、それがそのままどこどこの海までつながっている というような地図上でワインを覚えることにより、 その地域、州全体そしてイタリア全土へと理解度が深まるわけです。 この場合、鳥瞰図のように少し立体的になった地図などあれば、 より詳しく渓谷の名前や他の町との位置関係などもわかりますが、 今ではインターネットが多く普及されていることからネット上でそれらを容易に検索できます。 当時はソムリエ協会から購入した教材とイタリアで運転する ドライバーのためのイタリア地図のみで勉強していました。 後者はあまり使えませんでしたが。 そして最終の第三段階ではワインと料理の組み合わせを 毎回提供される食品とその製造工程、産地などの知識を 深めていくという構成でプログラムが組まれています。 毎回決められた食材があり、たとえば今日は穀物がテーマであれば 麦の種類、お米の種類、豆の種類など一通り説明して、 より詳しくどの産地が多く生産しているのか、 どんな料理が有名か、それらの味わいはどんなものか、 そしてどのようなタイプのワインと組み合わせるのか。 この時試食したのはシンプルなお米のサラダ「Insalata di Riso」に トレンティーノの香り高い白ワインを合わせていましたが、 シチリア州のアランチーニならまた別の白ワインを合わせるでしょうし、 これがまたリゾットに変わればサフラン入りのミラネーゼと ヴェネト州の赤ワインリゾットでは合わせるワインもまったく違ってくる。 そんな講義を延々2時間聞いて、試食・試飲へと移るのですが、 考えて食べることにより舌の感覚に神経を集中させるという、 今まで経験したことのない意識の持ち方に出会えた最終段階でした。 これが終われば本命の試験です。 この試験に合格すればソムリエのタイトルがもらえるという重要な試験は2回に分けて行われ、 1回目は筆記試験、その1週間後に2回目の口頭筆問とワインの試飲が行われます。 筆記試験前までは、今までこれほど勉強をしたことがないと言うくらい勉強しました。 仕事から夜中1時くらいに帰ってきて、朝方7時・8時くらいまでひたすら声に出して DOCを覚えて、近くのバールへ朝食を食べに行き、その後就寝。 このサイクルで何日も過ごしていよいよ本番を迎えました。 試験会場では円卓のテーブルがいくつもあり自由に座れます。 問題用紙が配られ、試験官の合図で一斉に始まりました。 問題を一通りこなしていると同じテーブルのイタリア人が 「この問題の答え教えて!」と横の人にヒソヒソと話しかけています。 他の地域でも結構耳にするカンニングの話。 「ここでもか!」日本人の皆さんは真似をしないようにお願いします。 その1週間後、今度は勉強した知識をイタリア語で表現する口頭質問です。 まず会場に着いたらさまざまな種類のグラスが並べてあるテーブルへ向かいます。 試験官からこのワインに合うグラスを選びなさいという問題をだされ、 その答えのグラスをテーブルから選んでいきます。 その後ボトルの開け方を模擬で行い終了。 次の試験官の待つテーブルへ向かいます。 ここでは面接方式で、まずグラスに注がれた赤か白ワインを ソムリエ協会が定めた表現方法で表現します。 それを試験官が評価し、その後口頭質問へ移ります。 テーブルに座るや否や試験官から一言 「マサシ、筆記試験がそこまでよくなかったから、口頭質問は完璧にするように!」 「一発目からきついパンチをお見舞いさせられた!」 心の中の叫びです。 と同時にカンニングしていたイタリア人の顔をふと思い出しました。 しかしそこは気持ちを切り替えて 「よし!全部答えてやろう!」と前向きに思い直すのでした。 その仕返しといわんばかりの勢いで、ほぼ正確に短時間でワインを表現し、 全部の質問に即答で答えました。だがそこは難関ソムリエ協会。 そうは簡単に終わらせません。ひとつだけ答えられなかった問題がありました。 「トスカーナのDOPは?」 「DOP」それは原産地名称保護制度と訳される食品の品質表示なのですが、 それは1週間前の筆記試験前まで暗記していて、それ以降復習していませんでした。 今回の穴場です。いくつか覚えているのを答えて、 残りは「すみません、わかりません」と正直に答えました。 わからないまま時間を引きずるより、 「わからない」と答えて次のチャンスを待とうというのが私の考えでもありました。 「試験が終わった後にすぐ結果が出ますから、もし待ちたい人は待っていてください」 そう試験官に言われ、結果が知りたかった私は会場のロビーで待つことにしました。 その間は始まる前よりも緊張して、居ても立ってもいられませんでした。 口から心臓が出そうな感覚、そんな気分に見舞われます。 そして恐る恐る会場へ戻ってみると 「マサシ、合格!ギリギリだったけど」 「やった・・・えっ!?ぎりぎりでしたか?」 喜ぶに喜びきれない一言に、複雑な思いで職場へ戻ったのを覚えています。 後日、合格者はフランチャコルタのベルルッキ社に集まり、 晩餐会および合格発表が催されました。 「マサーシ・ヤマシータ」と私の名が呼ばれ、 「はいっ!」と元気よく日本語で返事をして賞状とソムリエバッチを受け取りました。 協会の偉い方々と記念撮影をしたときに思わずVサインをして、 「ギリギリの点数しか取れなかった分、これからもっともっと勉強して偉大なソムリエになるぞ!」 と思うのでした。 そのVサインはここまでやってきた過去の自分へだけではなく、 これから色々な経験をするであろう未来の自分へ贈ったものでした。 ちなみにあの時カンニングしていたイタリア人は、 その会場で見かけませんでした。 「信じるものは救われる」です。 ◆ ![]() 今回紹介するワインです。 ベルルッキ社の晩餐会でこのスプマンテはサービスされました。 プリモピアットのリゾットにあわせて出てきたと思います。 さすがにここでは、このリゾットの味わいにこのスプマンテの気泡が酸味が・・ だなんて語っている人はいませんでしたが、 お肉お魚問わずどんなお食事にも合うスプマンテだと思います。 色あいはきれいなピンク色、バラのようなトーンもほのかに見られ、 気泡は細かく継続的に続きます。香りはイチゴやさくらんぼの 甘いコンポートのような印象が強く非常に奥深い香りです。 口に入れるとやわらかい気泡が舌を包み込み、 酸とミネラルがうまく調和して全体的にエレガントな味わいです。 このカンティナへ行くと、畑から醸造所、貯蔵庫すべての施設を見学させてくれます。 そしてツアーの最終段階にメインイベントがあるのですが、 まだ澱抜きをしていないボトルを一本空けてくれます。 開けると泡が吹き零れるのですが、それだけでは終わりません。 ボトルの中には通常除去されるべき澱が含まれていますので、 ある意味とてもアグレッシブなのです。 ツアーガイドの方が栓の開いたボトルをテーブルにおいて、 先ほど開けた栓抜きでボトルの側面をたたきます。 「カンカンカンカン・・・・、プッシュゥゥゥゥ!」と勢いよく 中のスプマンテが天井に向けて高さ3メートルほど吹き上がったのでした。 もちろんそれは酵母菌の残りがボトルに含まれていたからであって、 通常皆さんが飲まれるスプマンテでは同じようなことはできません。ご安心を! Kallmuenz ソムリエ |
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